配合飼料について
一日に消費する量だけ与えていますか。
数種類の雑穀類が混合されている、配合飼料を器に入れて、一日では食べきれない量を与えていると、鳥は自分の一番好む一種類の餌しか食べません。例えばカナリアシードだけ食べて、満足しています。
カナリアシードはリジンとメチオニンの含量が少ないが、アルギニンとトリプトファンは豊富に含む。ヒエはトリプトファンを欠き、アワはアルギニンが少ない。従って配合飼料は極力多種類の穀類から構成される必要があります。
偏食によって、実に多様な病的状態が引き起こされますが。飼い主が最初に気づく変化は羽毛の色彩変化です。尾羽の下面や腹部の羽毛に黒い横線が入ります。これはフェザーマークと呼ばれています
メジロとスズメの羽毛が黒変した症例とコザクラインコの羽根先が赤色に変化した症例。さらにはオカメインコのピンク色の羽毛にも遭遇しています。これらの明らかな羽毛の色彩変化に先立って、下尾筒あるいは尾翼の下面に横縞模様が現れることがあります。これはフェザーマークと呼ばれている。これはコリン・リジンなどの必須アミノ酸の欠乏、リボフラビンの欠乏、肝障害あるいは甲状腺機能低下を指摘する文献もあります。
羽毛の色素が全く抜け落ちて部分的に白くなる羽毛色素欠乏症が知られています。オカメインコでは生長期のコリンとリボフラビンの不足に起因します。ニワトリ、七面鳥、ウズラの黒っぽい羽毛を持つ品種で、リジン欠乏により同じく羽毛色素欠乏症を引き起こします。しかしドバトやオカメインコではリジンが欠乏しても羽毛の白化はおこりません。しかし生長期が終わってからは、例え各種アミノ酸が欠乏しても順調な換羽と羽毛の輝きが見られます。
栄養による病気を予防するには、配合飼料を一日の必要量与えて、多種類の穀物を食べさせることが大切です。また最近では、色々の種類の小鳥に合った良質の固形飼料がローディーブッシュ社やハリソン社から市販されています。これらの栄養学者が市販したペレットタイプの固形飼料はヒナのうちから与えるとよく食べます。また若鳥ほど早く慣れて食べ始めますが、老齢の物では仲々なじめないので、注意が必要です。食べ始めたなら、配合飼料を減らして、すべてをペレットに代えても良ろしいです。
与えるエサを制限するので、確実に食べられるように器は、さらに大きな器に受けて、餌が効率よく摂取出来るように配慮してあげてください。
青菜
カルシュウムとビタミンの補給のために必要です。適当な野菜としてはコマツナ、チンゲンサイ、ダイコンやカブの葉です。これらにはカルシウムが豊富に含まれています。しかしレタス、キャベツ、ハクサイにはあまり含まれていませんので、不適当な野菜です。穀類には全くビタミンAが含まれていませんので、ピーマンやトウガラシ、にんじんやその他の緑黄色野菜を時々与えることも必要です。
タンパク質
きな粉、豆苗、豆腐などの大豆系食品、焼き麩などのグルテン、卵の白身、エビ、魚、牛肉、鶏肉、豚肉などは乾燥重量で10-20%ぐらい与えなければいけません。鳥によって食性が違いますので好みのものを探しましょう。フィンチ類などは昆虫食ですから、ミルワームを用意してください。
ボレイ粉
カキの貝殻を砕いた物で、カルシウムとヨウ素の補給に不可欠です。いつでも食べられるように少しずつ、小さな器に入れて与えてください。青く着色したボレイ粉は与えないでください。
塩土
鳥は筋胃の中に、貝殻や砂粒を保留して、穀物をすりつぶすのに、役立てています。その補給のために与えます。中にはすごい勢いで塩土を食べる個体がいますが、そんなに食べる必要がありませんので、その時は一週間に一度くらい小さなかけらを与えるようにしてください。これで充分です。
水
新鮮な水がいつでも飲めるように時々入れ替えてください。ミネラルウオーターは与えないでください。結石の原因になります。
器
配合飼料やボレイ粉、水入れ等の器はカビが生えやすく、健康に悪い影響を与えますので、要らなくなった歯ブラシなどで隅々まできれいにしてください。週に一度は煮沸消毒やミルトンなどの消毒液で消毒しましょう。
止まり木
止まり木は糞で汚れていませんか、カナリヤ等はひどく汚してしまうことがあります。時々充分に擦って、汚れを落とし、充分水洗して乾かしてから再度設置してください。ケージの中にはせいぜい2本の止まり木で充分です。翼を使って飛行できる空間はありますか。
糞
鳥は糞と尿を同時に排泄します。小さな、少し盛り上がって、白と緑色が混ざっているのが正常です。一日に50個近くします。産卵期や抱卵時には、ヒトの小指大の糞をすることもあります。これは正常です。朝一番の糞は生理的飢餓糞で、夜寝る前に食べた餌は数時間ですっかり排泄されるため、朝には空腹になっています。そして腸の粘膜が再生されて剥がれ落ちた物が糞として出ますので、黒っぽい、粘液状の糞となります。これは病気ではありません。餌を食べ始めて、30分もしないうちに、正常な性状の糞を排泄するようになります。
あまりに数が少なくて、白い液体ばかり出しているときは、尿をしているのですが、餌を食べていないことを示しています。すぐに診察を受けて下さい。また飲水量が多く、したがって流れるような多量の尿をするときも異常です。腎疾患や糖尿病が疑われます。
おやつについて
良く慣れて来ると、飼い主は鳥を擬人化してしまい、自分と同じ食物を色々与えてしまいます。鳥は尿を固形で排泄しますので、食塩を多量に与えられますと、腎臓で高濃度となって、腎障害を起こし、次第に元気がなくなってきます。醤油のついた物や、味噌汁、スナック菓子など、小鳥らしくない食べ物は与えないでください。
体重の管理
セキセイインコの中には太りすぎになる個体が多いです。体重は45g を越えることのないように管理してやることが大切です。一週間に一度は測定してください。料理秤が便利です。セキセイインコではオスがメスに餌を運びますので、オスと同居しているメスで、とくに過肥の傾向があります。このときは別居させると効果的です。配合飼料は6gとして、青菜を多給してください。1週間に1グラム程度の減量が最適です。急激な減量は脂肪肝を引き起こして、元気がなくなりますので注意が必要です。
つぎのような症状のある時は、診察を受けて下さい。
1停立:止まり木の上で、じっとしたまま動かない。あるいは下に降りて動かない。
2膨羽:羽根を膨らませて、悪寒を訴えている。
3排泄孔が糞で汚れている。(下痢)
4急に片脚で負重している。指の動きが悪く、止まり木に指を拡げて止まれない。
5翼の抱え方に、変形がある。翼の先が上がっている。逆に変に下がっている。
6眼が開かない。涙が出ている。
7餌を吐いている。頭の周囲の羽毛が吐いた粘液で濡れている。
8呼吸が荒い、早い、深い。あるいは咳やクシャミをする。
9どこからか出血している。
10ひきつけを起こす。
11餌箱に入って、餌を食べ続けている。(嚥下障害)
検査の材料を持ってきてください。
例えば、軟らかい便、吐いた物、出血の付いた敷き紙等。