最近、鳥さんのクラミジア感染症(オウム病)についての質問をよく受けます。鳥さんのクラミジアは治療できる病気です。
ただ不安がるだけではなく、知っていただいたうえで対応してもらいたいと思いますのでご一読ください。
オウム病について
人と鳥さんとでうつし合いができてしまう感染症（人畜共通伝染病）です。鳥さんの糞便中の病原体が人の呼吸器に入って感染するといわれています。
鳥さんでの症状は一般的な病気の症状（羽を膨らませていたり、よく眠るようになったり）だけの場合もありますが、咳・鼻水などを伴うこともあります。
それから、鳥さんに症状がなくてもクラミジアを保有している場合があります（不顕性感染）。不顕性感染であっても、糞便中に菌が排出されるため人が幼齢や妊娠中、病気、老齢などで免疫が落ちている場合に感染の恐れがあります。
ご心配な方は、まず鳥さんの検査をしてクラミジアを持っているかどうか調べることをおすすめします。
検査について
鳥類に感染するクラミジアはChlamydia psittaciという細菌よりも小さくウイルスよりも大きい病原体によるものです。当院では、便や血液、咽頭分泌物をPCR法を用いて感染しているかどうか検査できます。（検査費用はお問い合わせください。）です。２週間ほどで結果が出ます。
治療について
鳥さんがクラミジアに感染していた場合、クラミジアに効果があるといわれているお薬を服薬してもらいます。内服終了後クラミジアの再検査をしてクラミジアがいなくなっていれば治療終了です。
いなくなっていなければ、いなくなるまでお薬を引き続き飲みます。
感染が心配な人について
鳥さんのお世話をするときはマスク着用でお願いします。触れ合った後、手も石鹸でしっかりと洗ってください。まめに糞便をかたずけるようにしましょう。
人に呼吸器症状が出た場合。自分も不顕性感染が心配な場合はお近くの人の病院に行き、鳥を飼育している旨を伝え検査を受けてください。